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めっきの知識
化成処理
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化成処理とは?

装飾性・耐食性・塗装密着性
 

 化成処理とは、化成処理液に金属を浸漬することによって生じる化学反応により、金属表面に固着性のある不溶性の生成物を作成する方法です。その生成物の物理的・化学的性質を生かして金属の防食、塗装下地として広く利用されています。鉄鋼へのリン酸亜鉛処理、亜鉛めっきやアルミニウム合金材へのクロメート処理などが主な用途です。化成処理の歴史は古く、低コスト、省エネルギー、高品質、高生産性などの利点をもっています。

クロメート処理

クロメート処理は六価のクロム酸イオン(クロメート)を主成分とする処理液を用いた化成処理のことです。主に亜鉛やアルミニウムの耐食性・塗装密着性向上が目的で行われます。六価クロムは有毒であるため、環境負荷物質低減の観点から三価クロムによる化成処理の需要が拡大しつつあります。

リン酸亜鉛処理

リン酸亜鉛処理は鉄鋼材料に防錆、塗装密着性を付与することを目的に、自動車、機械部品、建材などの大型の部品を中心に適用されています。処理液は第一リン酸亜鉛、リン酸が主成分で、ニッケル・マンガンなどの陽イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオンなどの陰イオン、クエン酸などの有機酸から構成されています。リン酸亜鉛皮膜だけではクロメート皮膜ほどの耐食性は期待できず、多くの場合は塗装下地として利用されます。

リン酸マンガン処理

リン酸マンガン処理は鉄鋼材料の摺動部などで潤滑性が必要な時に使用されます。処理液はリン酸、硝酸などの陰イオン、2価のマンガンイオンでこれらの成分が鉄鋼上で反応し、黒色のリン酸マンガン皮膜を生成します。